東映60周年記念作品『北のカナリアたち』

東映が創立60周年記念プロジェックトとして製作された映画が『北のカナリアたち』です。主演にはこの作品で116本目の出演作品となる吉永さゆりさん。もちろん配役も豪華で、吉永小百合さんの夫役には柴田恭平さん、そして主演で116本目の出演作品となった『北のカナリアたち』です。原案には湊かなえさんの「二十年後の宿題」になっています。公開は平成24年(2012年)11月3,4日です。公開初日のこの二日で、観客動員数ランキング初登場第2位になりました。

北のカナリアたち

映画の得男になったのは湊かなえさんの原作短編集「往復書簡」の中にある「二十年後の宿題」とありますが、二十年とあるように映画の舞台は「現代」と「二十年前」になります。吉永小百合さんが演じる川島はるは、20年前に北海道の最北端そして離島の分校で小学校教師として務めていました。そしてある悲しい事件がおこり後ろ髪を引かれながらも、島を去り東京で働いていますが20年前に起きたあることとはいったいどのようなことなのでしょう?!

川島はるを演じる吉永小百合さんは、20年前の40歳と現代の60歳を演じられますが、分校ではたらく小学校教師40歳でもなんの違和感もありません。里見浩太朗さんが父親役を演じられますが、父親と言われても、これもまたなんの違和感も感じません。サユリストはもとより、ミステリー好きも楽しめるそして配役キャストも「あぶない刑事」の柴田恭平さんに仲村トオルさんと、若手実力俳優の宮﨑あおいさん、松田龍平さん、満島ひかりさん、そしてダンサーでもあり俳優としても活躍中の森山未來さんと若手実力派俳優陣と、とても豪華なキャストの演技にも注目です。

6人の生徒の子供時代を演じるのは、それぞれ全員がオーディションで選ばれた子ども達で見事な演技を披露してくれています。吉永小百合さんが40歳の先生を演じますが、子役と先生とのかかわりなど美しい北海道の風景とあいまって、とても情感あふれるシーンになっています。20年前に吉永小百合さんが演じるはる先生に、一対何が起きたのでしょうか。そしてはる先生の夫、そしてはる先生の不倫相手と先生と生徒ちょっとした行き違いからバラバラになってしまいますが、20年前にあった出来事とそれがどのように現代に通じてしまったのでしょう。20年前と同じ時間に戻ることはできなくても、心の絆を取戻せることができるのでしょうか?!

北のカナリアたち~キャスト

  • 川島はる・・・吉永小百合 20年間の40代と60代の両方を演じます
  • 鈴木信人・・・森山未來  ノブちゃんの小学生時代は、オーディションで選ばれた小笠原弘晃くん。
  • 戸田(旧姓:酒井)真奈美・・・満島ひかり  少女時代の真奈美はオーディションで選ばれた渡辺真帆ちゃん。
  • 生島直樹・・・勝地涼  なおちゃんの小学生時代は、オーディションで選ばれた相良飛鷹くん。
  • 安藤結花・・・宮﨑あおい  結花ちゃんの少女時代はオーディションで選ばれた飯田汐音ちゃん。
  • 藤本七重・・・小池栄子   七重ちゃんの少女時代はオーディションで選ばれた佐藤純美音ちゃん。
  • 松田勇・・・松田龍平 イサムちゃんの小学生時代はオーディションで選ばれた菊池銀河くん。
  • 川島行夫・・・柴田恭兵 主人公の川島はるの旦那さん
  • 阿部英輔・・・仲村トオル はるの男です。北海道時代にはるは不倫します。
  • 堀田久・・・里見浩太朗 川島はるの父親
  • 信人の婚約者・・・高橋かおり ノブの婚約者です。
  • 真奈美の夫・・・駿河太郎 分校6人の中で唯一結婚をした真奈美の旦那さんです。
  • 信人の祖父・・・福本清三 5万回斬られた男の異名を持つ50年に渡って活躍していますが、東映に入社したのは15歳の時です。「ラスト・サムライ」と時にも斬られて東映を定年退職していますが、嘱託として在籍して活動中です。
  • 結花の母・・・藤谷文子 はるの噂を広めた人物
  • 勇の父・・・伊藤洋三郎 こちらもあぶない刑事シリーズに登場している俳優です。
  • 図書館職員・・・塩見三省 名脇脇役として活躍中ですが、演劇集団円に所属している俳優です。
  • 中田社長・・・菅田俊 ノブちゃんこと、鈴木信人が勤める会社の社長。
  • 奥村刑事・・・石橋蓮司 東映が実施している東映大学プロジェクトの校長に平成20年(2008年)に就任しています。

数々の賞を受賞した作品『北のカナリアたち」

この作品では主演の吉永小百合さんをはじめとして、数々の賞を受賞することになりました。第36回日本アカデミー賞では、まさに総なめとなる最多タイの12部門で優秀賞を受賞していますが、そのうち3部門で最優秀賞を受賞しています。木村大作さんといえば、日本で屈指のカメラマンでもあります。日本を代表する俳優の健さん、高倉健さんと健さんが厚い信頼をよせる降旗監督の中核を担うカメラマンでもあり、その木村さんがカメラを担当しただけに、北海道の美しい四季が見事に映し出されています。

『北のカナリアたち』~受賞歴~:吉永小百合(役:はる先生)

  • 第36回日本アカデミー賞・・・ 優秀主演女優賞
  • 第37回報知映画賞・・・ 主演女優賞
  • 第25回日刊スポーツ映画大賞・・・ 主演女優賞
  • 第36回山路ふみ子映画賞・・・ 山路ふみ子女優賞
  • 第67回日本放送映画藝術大賞・・・ 映画部門: 優秀主演女優賞

『北のカナリアたち』~受賞歴~:森山未來(役:ノブ)

  • 第36回日本アカデミー賞・・・ 優秀助演男優賞
  • 第37回報知映画賞・・・ 助演男優賞 「北のカナリアたち」の他に、「ALWAYS 三丁目の夕日'64」も含めての受賞
  • 第25回日刊スポーツ映画大賞・・・ 助演男優賞
  • 2013年度エランドール賞 ・・・新人賞 「北のカナリアたち」の他に「苦役列車」「贖罪」「ALWAYS 三丁目の夕日'64」も含めての受賞
  • 2012年全国映連賞・・・ 男優賞 「北のカナリアたち」の他に「苦役列車」を含めての受賞)
  • 第67回日本放送映画藝術大賞・・・ 映画部門 優秀助演男優賞

『北のカナリアたち』~受賞歴~:満島ひかり(役:真奈美)

  • 第36回日本アカデミー賞・・・ 優秀助演女優賞

『北のカナリアたち』~受賞歴~:宮崎あおい(役:結花)

  • 第36回日本アカデミー賞・・・ 優秀助演女優賞

『北のカナリアたち』スタッフ~受賞歴~

  • 第36回日本アカデミー賞・・・優秀作品賞を受賞
  • 第36回日本アカデミー賞:最優秀音楽賞・・・川井郁子が受賞
  • 第36回日本アカデミー賞:最優秀撮影賞・・・木村大作が受賞
  • 第36回日本アカデミー賞:優秀監督賞・・・阪本順治監督が受賞
  • 第36回日本アカデミー賞:脚本賞・・・那須真知子が受賞
  • 第36回日本アカデミー賞:優秀美術賞 ・・・原田満生が受賞
  • 第36回日本アカデミー賞:優秀録音賞 ・・・志満順一が受賞
  • 第36回日本アカデミー賞:優秀編集賞 ・・・普嶋信一が受賞
  • 第67回日本放送映画藝術大賞 映画部門:優秀撮影賞 ・・・木村大作が受賞
  • 第67回日本放送映画藝術大賞 映画部門:優秀照明賞 ・・・杉本崇が受賞
  • 第67回日本放送映画藝術大賞 映画部門:優秀美術賞 ・・・原田満生が受賞
  • 第67回日本放送映画藝術大賞 映画部門:優秀録音賞 ・・・志満順一が受賞
  • 第67回日本放送映画藝術大賞 映画部門:優秀編集賞 ・・・普嶋信一が受賞
  • 第67回毎日映画コンクール:録音賞 ・・・志満順一が受賞

『北のカナリアたち』あらすじ:プロローグ~

北海道の最北端のある離島にある分校に、ひとりの教師が赴任してきたのは20年前のことです。教師の名前は川島はる(吉永小百合)が担当してのは、4年生から6年生までの6名の生徒の担任としなりました。学年も違う分校特有の学級編成ですが、クラスをひとつにまとめるために、教師のはるが取った方法が「コーラス」でした。そして歌を歌うことに、児童たちも興味を示します。

コーラスのソロパートを担当する結花が歌を歌えなくなってしまいます。もうすぐコーラスの発表を控えているために、緊張していたからでしょうか?!そして歌えなくなったこともあって、子ども達がケンカする事態になってしまいました。そんな子ども達の様子を見かねたたため、はる先生が取った行動は海辺で楽しむバーベキューでした。

ところが、楽しい海辺でのバーベキューで事故が起きてしまいます。結花が海に転落してしまいます。海に転落して結花を助けようとしたのは、はるの夫川島行夫(柴田恭平)ですが助けに入ったはるの夫は溺死で亡くなってしまいました。転落した結花は、はるが助けて結花は助かりましたが・・この時に起きた事故をきっかけにして、はるはまるで追われるかのように離島の島を立ち去ります。

島を離れようとしているはるに対して、ひとりの自動が石を投げつけます。石を投げた児童は鈴木信人です。島を去ろうとしているはるに石を投げつけるとは・・・、いったい何があったのでしょうか?!

舞台は現代に場面が代わり、川島はるは20年間勤務していた図書館を本日定年退職となりました。定年退職したはるの元へ、ふたりの刑事が尋ねてきました。そして刑事ははるに尋ねます。「鈴木信夫って男をご存知ですよね?!鈴木信夫は自分が働いていた会社の社長を殺したんだ。そしてメモが残されていてメモには、あなたの名前そして住所が書かれているメモが残っていたんだ」

社長を殺害した鈴木信人(森山未来)は、北海道の離島ではるが教師として赴任していた時の分校の教え子です。そして鈴木少年は軽度の知的障害があり吃音(どもり)があったために、よく他の児童からからかわれたりいじめられたりしていましたが、とにかく歌がとても上手だったので鈴木信人くんの歌の上手さがキッカケになって、はるは子ども達にコーラスを教えることになったのです。

そんなことがあっただけに、はるにとってはとても印象の強い子どもでした。そしてはるが島から去るときに、石を投げてきたのもこの鈴木信人少年でした。たとえ石を投げつけてきたとはいえ、成長して殺人となると話は違ってきます。いったい何が・・・?!

はるは20年間勤務していましたが、定年退職したので時間にゆとりがあります。そして彼女自身が20年間ずっと抱えてきた北海道の分校での出来事。いったい数少ない島から、まるで追われるかのように去ってから20年の月日が経っています。その時の生徒が、殺人事件を冒しましたがいったい何が彼にあったのでしょう。そしてあの時に楽しそうに歌を歌い上げていた6人の生徒に20年経った今、何がおきているのでしょう。

そして、どうして信人ははる先生の住所が書いているメモを残していたのでしょうか。。。。

その理由を解きほぐすには、やはり20年前のことにさかのぼる必要があるようです。ずっと心の中で忘れることもなく、はる先生の心の中で課題として残っていた問題に今は逃げることはできません。生徒たちに何があったのかを紐解く必要が出てきました。はる先生は20年前にさかのぼりながら、逡巡しつつかつての教え子達を尋ねることにします。はる先生が全員の生徒を尋ね終わった時に、なにか心の中で解き放たれるものはあるのでしょうか。

北のカナリア:真奈美の場合

図書館に20年間勤務していたはるも、定年退職したので時間に余裕があります。そこでハルは離島の時の教え子の真奈美(満島ひかり)を尋ねることします。6人の児童の中で唯一結婚をしている真奈美は、はるに毎年かかさずに年賀状を送ってきていた生徒でもあります。いまは夫と共に、湿原を保護する仕事について、充実した毎日を送っているようです。

はるが真奈美のもとを尋ねると、真奈美はある告白をするのでした。

真奈美の告白「先生のご主人が亡くなってしまったのは、私に責任があります。20年前のあの海辺でのバーベキューの日に、歌えなくなった結花ちゃんに、私が代わりに独唱を歌ってあげると言ったんです。結花ちゃんは、足を滑らしたといったけれど、本当は自殺しようと思って海に飛び込んだと思うんです。」

そして「結花ちゃんは助かったけれど、先生の旦那さんが溺れ死んでしまったのは、結花ちゃんを助けに行ったから・・・」と、そんな真奈美の告白に対して、はるは「20年間も苦しんできたのね。でもね、あの事故は全部私の責任なの。だからもう忘れて、前を向いて生きてちょうだい」と語るのでした。

真奈美は自分の言動が、結花を追い込んでしまいその結果、先生の旦那さんを死なせてしまった。とずっと思っていたのでした。真奈美は信人にはるの住所を知らせていないことを伝えて、「直樹くんが、札幌で働いているわ」と直樹のことを伝えるのでした。

映画「北のカナリアたち」のあらすじをすべて・・・

冬の美しい厳しい映像や高倉健さん×降旗コンビでも撮影を担当したキャメラマンの木村さんが、東映60周年記念作品「北のカナリアたち」で撮影を担当しています。主演は吉永小百合さん、そして若手実力派俳優が教え子として登場しますが、森山未來さんの演技には驚かされることでしょう。北海道の最北端の離島を舞台にした映像美と、原作湊かなえさんのミステリーも楽しめるとても豪華な作品になっています。